日々是好日。

毒吐きブログです。

子供の頃の記憶 その2

小学3年生だった頃の事でしょうか。

 

急激に家のお金が廻らなくなりました。

まず、お風呂を焚く石炭が買えなくなりました。

当時、私の髪は腰程の長さがあったのですが、お風呂に入れないと、当然ですが、髪の毛も洗えません。

 

私は意地になって、お湯を薬缶で沸かして、頭を洗いました。

それから、怖い人達がお金の取り立てにやってきました。

どうやってきたのかというと、まず、父を呼ぶように、言われました。

2人組みで来たと思います。

 

母は慌てて、頭にタオルを巻いて「今、お風呂から上がった」風を装いました。

「父の靴を隠しなさい」って言われました。

私は父の靴を慌てて隠しました。

そこからの記憶が殆どありません。

記憶が「飛んでいる」状態です。

 

1か月程経ったある日「おばあちゃん家に行くから支度しなさい」って言われました。

私は嫌な予感がしました。

父も一緒かと聞くと、嫌、そうじゃない、って答えました。

私は弟の靴を用意しました。

弟は当時、まだ3才ぐらいだったと思います。

 

朝方、駅のホームに列車が突入して来たと同時にホームに私達親子は滑り込みました。

弟のおもちゃがホームに転がったけれども、母は「そんなもの、あとでいいから!」と怒鳴りました。

 

祖母の家では、私達親子は、狭い肩身の思いをすることになります。

「お客さんじゃないから、裏口から入んな!」と祖母は母のように、怒鳴りました。

正直、祖母の家の裏口は、暗くて臭くて、大嫌いでした。

だから、私は意地になって、正面玄関に自分の靴を置きました。

その靴が、裏口に置かれても、置かれても、私はその度に、玄関に靴を置きました。

 

それが大体、夏休み一杯の期間だったと思います。

家に帰ってみると、私の家はもぬけの殻でした。

居間に転がっていたのは、一枚のお皿と、玄関から蜜を求めて群がっていたアリだけでした。

父は夜逃げをしたのか、家にはいませんでした。

 

後から聞いてみたら、何と、お金を共同で借りていて、父が保証人にもなっていた人が逃げたとの事で、怖い人達は案の定、ヤクザだったのです。

 

2番目の妹は、当時、養父母の家に住んでおり、この事は知りません。

また、一生、知らなくてもいい事だと思っています。

ただ、死ぬまで、この事は私のトラウマになるでしょう。